V 匿名組合契約の概要

1.匿名組合契約とは
 日本国商法にて定められる匿名契約とは、当事者の一方(匿名組合員)が相手方(営業者)の営業のために出資をして、相手方がその営業から得られる利益又は損失を匿名組合員に分配することを約する契約をいいます。
 商法上の匿名組合契約は、匿名組合出資を行う匿名組合員と営業を行う営業者との間で個別に締結されます。匿名組合においては、匿名組合出資金は営業を行う営業者に帰属し、営業者は自己の権限に基づいて営業を行います。営業者だけが営業の主体として第三者に対して権利義務を有し、出資者たる匿名組合員は外部に現れないことから「匿名組合」という名があるものです。
 匿名組合員は、営業者の行為につき第三者に対して権利義務を有さず、匿名組合契約に従って、損益の分配のみを受けることになります。また、匿名組合契約の終了時、営業者は匿名組合員に匿名組合出資金を返還する義務を負いますが、営業の結果、損失が発生し、匿名組合出資金の返還額はゼロとなることもあります。
 従って、匿名組合契約においては匿名組合員の匿名組合出資金の返還が保証されているものではなく、損失を蒙る可能性もあります。ただし、匿名組合員の責任は匿名組合出資の範囲内に限定され、出資金額を超えて損失を負担することはありません。

2.本匿名組合契約について
 以上が商法に規定されている匿名組合の概要ですが、今回、本匿名組合の営業者である有限会社エンターテイメントファンドと投資家が締結することとなる本匿名組合契約には、本匿名組合契約は商法第535条に規定されている匿名組合契約である旨規定されており、上述の関係に基づく、匿名組合契約を締結することとなります。
 本匿名組合契約では、Z5、6に記載のとおり、利益(又は損失)の分配と匿名組合出資金の返還を同時に行うことが意図されています。

 

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